20年に一度行われる伊勢神宮の一大神事「式年遷宮」。直近では2013年に、社殿から1000点以上の御装束まで、すべてが新しく造り替えられました。でも、そもそも「式年遷宮」ってなに??という人も多いはず。今回はそんな方にも分かりやすく説明します!
1300年にわたり繰り返されてきた式年遷宮
その歴史は古く、約1300年前に天武天皇のご発意により始まり、その後、持統天皇の時代に「第1回 式年遷宮」が行われました。戦国時代に一時途絶えたこともあるそうですが、現在まで受け継がれています。
式年遷宮は、新しいお宮に神様がお引っ越しをすることで、常に新しくあり続ける常若の思想を守り続けるもの。お宮のほかにも、鳥居や手水舎、別宮、宝物などもすべて一新することで、古くから続く建築様式や技術を伝承する役割も果たしています。使用する木材の切り出しに始まり、神様がお遷りになるまで、なんと8年間もかけて「式年遷宮」は行われるんです。
「遷御の儀」後には、正宮の周辺は新しいヒノキの香りが漂います。
約1300年前の第1回が行われてから、2013年には第62回目を迎えました。新旧のお宮が並ぶ光景は、20年に一度しか見られません。次回の式年遷宮は2033年を予定しています。
伊勢神宮の式年遷宮を紹介する博物館「せんぐう館」
第62回の式年遷宮を記念して、外宮のまがたま池のほとりに建てられた博物館が「せんぐう館」です。館内では神様の宝物、御装束神宝の製作工程や、外宮正殿の原寸模型などを展示しています。10:00〜15:00の毎時0分には、職員による10分程度のガイドも実施されているので、ぜひ参加しましょう。入口付近の休憩スペースでは、まがたま池を眺めながらのんびりできます。